第11回: 金属団地が気になって



第10回では、金属団地のノットのすぐ近くまで行ったにも拘わらず、素通りして丸子川沿いのノットに行ってしまいました。
今回は、丸子宿付近を再訪し、金属団地のノットをやっつけてしまおうと思います。


かんたんにほどけそうなノットが未達成のままでは何だか気持ちが悪い、というのもありますが、この「金属団地」というネーミングが非常に気になります。
だって、金属で団地ですよ。金属!団地!金属団地!
果たしてそこにはいかなる奇観が待ち受けているのでしょうか?

「ノットって何?」という方はこちらへどうぞ→ ノットとは何か?:『ゴルディアスの結び目』の遊び方)。


現地までは、前回の帰路となった太平洋岸自転車道を、逆向きに辿っていくことにしました。
自然豊かな丸子川の自然を堪能しながら進んでいきます。
この日はほどよい加減に雲が出ていて、暑過ぎもせず、大変快適なポタリング日より。川で泳いでいる魚たちも気持ちよ

あっ!カワセミ!


…いや失礼。
カワセミ。
いました。
特に珍しい鳥ではありませんが、じゃあ見に行こう、と思ったところでなかなか見つからない、という微妙な距離感がたまらない鳥ですね、カワセミは。
私はこの翡翠色の鳥が大好きなんです。

せっかくなのでブロンプトンとカワセミを一緒に写してみました。

[丸子川のカワセミとブロンプトン]

…いや、まあ、iPhoneのカメラじゃカワセミは点にしか写らないんですけどね。
この日は三羽見かけたので、次にここを訪れたときも「ここにはカワセミがいるんだ」という頭で辺りを観察すれば、高確率でカワセミを発見できそうです。次回はちゃんとした撮影機材、デジスコ一式を持って来たいですな。



丸子川をちょっと離れて、今回の目的地である金属団地へ向かいましょう。
金属団地。金属で団地です。
Metal Industrial Area、って書くと、コナンとジムシーが乗り込んで行こうとしている場所みたいですな。

リドリースコット監督の「ブレードランナー」で描かれた情景が、いつのまにか私の頭の中に湧き出していました。非人間的で奇っ怪な建造物が建ち並び、使用目的もよく分からないような巨大重機が騒音を立てている場所なのでしょうか?なんせ金属で団地なんですから、それくらいの凄まじい情景を期待したいところです。


前回はぽっかりと穴が空いていたところにノットのマークが付きました。穴埋め作業は完了です。
前回のプランでは、このノットを出発点として北上していく予定だったわけです。しかし今回はこれにて終了。
では、ちょっと思うところがあるので丸子川にもう一度戻ることにしましょう。

え?リドリースコットはどうしたかって?
うーん…
実際に行ってみるとですね、確かに金属で団地な感じはしました。たくさんの工場がありましたし、鉄骨などの資材が積み上げられていて、巨大重機もあるにはありました。
しかし、全体としては緑豊かな住宅地、といった雰囲気のエリアでして、金属うんぬんよりも、フットサル場で練習する小学生の姿の方が印象に残りました。

一応写真を出します。工業用水路なのかもしれませんが、なかなか良い雰囲気の川です。桜の季節に来ると、いい写真がとれそうですね。

金属で団地はこれにて終了。

で、丸子川に戻ります。
動画を撮影したのでご覧ください。
いや、動画としては、はっきり言ってしょーもない内容なんですが、背景に流れている音を聞いて欲しいのです。音量を少し大きめにしないと分かりづらいかもしれません。


なんと表現したらいいのでしょう。
るるるるるるりりりりりり?
それとも
ふぃふぃふぃふぃふぃふぃ?



この鳴き声、この美声。
これってカジカガエルですよね!
違います?



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2013年10月11日 Posted by lessThan5percent at 21:59Comments(0)

第10回:予定を変更する

 


自宅の駐車スペース脇に植えてあるコマツナギの花が咲きました。
一般的には雑草扱い(木本ですが)なのだと思いますが、園芸植物に負けない美しさを持っていると思います。
このコマツナギは元々、安倍川付近に生えていたのを引っこ抜いてきたものです。引っこ抜いてきた辺りを地図で確認してみましょう。

安倍川が南北にまっすぐ流れている辺りに注目すると、川を東西から挟むようにノットが並んでいるのがわかります。東岸のノットはだいたいほどけていますが、西岸のノットはほとんどほどけていません。
そこで今回は、この地図の中央やや左寄りに並んでいる縦四つのノットを回ってみたいと思います。まず静岡大橋を渡って西に進み、南から北に向かって移動して行く計画です。もしかすると、地図上で「千代」と書いてある辺りで疲れちゃって挫折しそうな予感もしますが、その時は無理せずに撤収します。前回と同様、ブロンプトンのサドルに跨がっても、自分の中の「スイッチ」を入れずにのんびり行く方針です。

「ノットって何?」という方はこちらへどうぞ→ ノットとは何か?:『ゴルディアスの結び目』の遊び方)。


まずは静岡大橋を渡って西を目指します。川を渡らない事には話が始まりません。

橋を渡りきって、そのままどんどん直進します。JRの高架橋を通過。

最初のノットのすぐそばまでやって来ました。丁字路を右折して、ほんの少し北上すれば辿り着けそうです。上の地図には表示されていませんが、そこは「金属団地」という面白い名前のエリアで、工場の密集地のようです。
しかし、この丁字路で気になる物を見つけました。

「この先旧東海道丸子宿」「ようこそ丸子路へ」
なにやら風情のある看板が立っています。
金属団地も面白そうですが、ちょっと予定を変更してこのまま路をまっすぐ進んでみることにしました。

西に向かって片側一車線の狭い路が続きます。看板が立派だったので、いかにも観光地!といった情景を期待したのですが、ごく普通の住宅街といった雰囲気。全般的に歴史のありそうな家屋が密集しているエリアではありました。

で、途中で気づいたのですが…わたし以前ここに来たことありましたわ!
娘の小学校の遠足のときに来てましたね。あのときは遠足バスで連れてこられたので、とても遠いところだと思っていたんですが、錯覚でしたか。ブロンプトンで走ったおかげで認知マップを修正することができました。

丸子川がよく見える辺りまで来ると、「とろろ汁」の看板を掲げたお店がありました。この地域では、とろろ料理のお店をよく見かけます。実は一度もそういったお店に入ったことがないのですが、今回もパスです。おなかが空いていなかったもので(無粋)。

ところで、この「丸子」という地名、ほとんどの人が「まるこ」と読むのではないでしょうか。静岡=ちび「まるこ」ちゃん、という連想をするかしないかに拘わらず、まること読みますよね。私も、静岡県外出身なので、「まるこ」と読んでいました。
でもこれ、「まりこ」と読むのだそうです。お店の前の看板を良く見ると「鞠子宿」と書いてありますが、これなら「まりこ」と読めますね。そして、この店の前を流れている小さな川、丸子川も、「まりこ」川です。

お店の前で橋を渡り、丸子川に沿って西に向かいます。その川沿いの細い路が、噂には聞いていた太平洋岸自転車道の一部だったんですね。

だいぶお日様が西に傾いてきました。お日様に向かって進んでいきます。
写真には写っていませんが、右手に丸子川が流れているわけです。魚がたくさん泳いでいるのが見えましたが、日淡の知識がほとんどないので、単に「魚」という認識しかできなかったのが残念です。

当初予定していたものとは違いますが、ノットに到達しました。
まだまだ路は続いていますが、今回はここで引き返すことにしたいと思います。

引き返す途中で気付きました。護岸コンクリートの表面にでっかく「カジカガエル」の文字とアイコン。この辺にはカジカガエルが生息しているんでしょうか?地元のみなさんが保護している雰囲気があります。

とろろ汁のお店の前まで戻ってきましたが、そこにも太平洋岸自転車道の看板があります。安倍川方面まで続いているということですね。私が自宅に戻るには安倍川を渡らないといけないものですから、このまま太平洋岸自転車道を進んでみることにします。

良い雰囲気です。たまりませんな。
しかし、「自転車道」とは言っても所詮は歩道。そんなにスピードは出せません。実際、歩行者が結構通ります。

対岸に良い雰囲気の文殊堂がありました。ちなみにこの日は結構暑くて、この写真のフレームのすぐ外側では、子供達が丸子川につかって水遊びをしていました。

Pacific Coast Bicycle Routeの看板がありました。地図上で私は左から右に向かって移動し、安倍川に近づいてきたことになります。しかし実際にはこの看板の左の方に向かって行くことになります。つまり、地図上の東西と現実の東西が逆。見る者に高い認知的負荷をかける地図です。

前方にある橋は、新幹線です。新幹線が丸子川を渡っているのですね。
実はあの橋、「Bromptonで巡る静岡市のノット (8)」で反対方向から見ています。

「現在地」の表示が新幹線(というかJR)の線路を越えたところに表示されているのがわかるでしょうか。繰り返しになりますが、私はこの地図上を左から右に向かって移動し、安倍川に近づいて来たのですが、現実世界の安倍川は地図の左の方にあります。

太平洋岸自転車道の地図に従うと、自然たっぷりな丸子川を離れ、国道へと誘導されます。

やたらとリアルな巨大ワサビ看板を見ながら直進。この辺り、排気ガスがすごいです。

安倍川に到達しました。南安倍川橋です。
ここで、太平洋岸自転車道がどこに続いているのかちょっと迷ったのですが、車道の右側を通っていけ、ということになっています。

橋は長いです。どんどん渡りましょう。

橋を渡りきったところで太平洋岸自転車道は右に折れ、南へ、つまり海へ向かって誘導されます。前方の松林を抜けていくと海です。安倍川河口にある発電風車も見えますね。
しかし、今回はここを一応のゴールとしたいと思います。

「安倍川西岸のノットを~」なんていう計画だったはずですが、全然違うところにノットのマークが一つぽつんと付くことになりました。
しかし、気ままなポタリングなのですから、こんな風に途中で予定を変更するのも悪くありません。

反省点を一つあげるとするならば、せっかく金属団地の至近まで行ったのにノットをほどかずに帰ってきてしまったことでしょうかね。また今度行く事にします。


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2013年10月11日 Posted by lessThan5percent at 16:06Comments(0)

第9回:スイッチを入れない・後編


第8回でモモ畑のノットをほどいた後の出来事をここに記します。

「ノットって何?」という方はこちらへどうぞ→ ノットとは何か?:『ゴルディアスの結び目』の遊び方)。


神社の隣の公園に戻り、大きなモミジの木陰で一休みすることにしました。
このモミジが生えている場所は、元々は神社の境内の東端にあたる場所だったとか。公園が整備されたときに、境内が縮小されて、このモミジだけ置き去りにされてしまったのですね。しかし、樹齢200年以上のこのモミジを「めんどくさいから切っちゃえ」と考える人は居なかったようで、いまも公園内で大切にされているのだそうです。「○○のモミジ」といった愛称が付いていたのですが、私の長期記憶には転送されなかった様です。思い出せません。


さて、この公園、「広野公園」という名前がついていますが、「広野にある公園」という言い方になると、私は別の公園のことを思い出します。海沿いにある広野海岸公園です。そこにノットがあるわけではないのですが、せっかく近くまで来たので寄っていくことにしましょう。
今度は東海道本線から離れて、まっすぐ海に向かいます。


おいしいシラスで有名な用宗漁港に到達。道を挟んだところにあるのが…


サリーズカフェ。写真左側にあるテラス部分では、愛犬同伴で食事や喫茶を楽しめるようになっています。我が家では、これから向かう広野海岸公園で子供を遊ばせた帰りによく立ち寄らせていただいています。食事もケーキもおいしいです。店内禁煙。


この道を突き当たりまで行くと、そこが海です。しかし突き当たりまで行っても…


「海だーっ!」という光景を目にすることはできません。大きな防波堤が視界を遮っています。良く見ると大勢の人が釣りを楽しんでおられますな。ここを左に曲がっていくと…



難破船が出現。
難破船型の遊具です。ディズニーシーのメディテレニアンハーバーにある船型遊具と比べても引けを取りません。大人でも登ってみたくなります。ここが広野海岸公園です。自転車の乗り入れは禁止されているので、途中から押し歩きしてくる必要があります。

この辺りまで来ると、「海だ―っ!」という光景をたっぷりと楽しむことができます。

この場所から一番近いノットまで約1キロです。
が、そこは海の中。行くとしたら北東にあるノットですな。公園をこのまま東に抜け、安倍川河口方面に向かえば良さそうです。

この角度から見ると、難破船が中央から折れ曲がっているのがよく分かります。見事な難破っぷり。

公園を抜けると長い海岸堤防が安倍川河口まで続いています。自転車で走ったら気持ちよさそうですが、ここは押し歩きしないといけない事になっています。

安倍川河口に到達。
遠景に発電用風車が見えます。いずれ、あの風車の根本付近にあるノットに行く予定です。

丸子川を渡ります。
冬場はたくさんの水鳥が集まってくる川ですが、今はサギがちらほらいるだけ。

丸子川の畔。病院の隣にある細長い公園です。
洒落たデザインの遊具が設置されています。

風車が気持ちよさそうに回っていました。
この公園を後にし、病院脇の道路をまっすぐ進むとノットに到達です。
ミニストップの駐車場の中でした。

ゼロメートル地点に立ってみました。
GPSのシグナルに揺らぎがあって、なかなか距離表示が0になってくれないので、同じ場所を数分間にわたってウロウロと。このときの私の挙動は、周りの人達の目にはどう写っていたでしょうかw

ブロンプトンのある辺りにノットが存在する様です。


今回のノット巡りでは、サドルに跨がっても「スイッチ」を入れず、のんびりと走りながら3カ所のノットをほどくことができました。ほどけたノットの分布パターンは、もはや漢字の凸の字とは言えませんな。

ところで、今回のノット巡りから、ブロンプトンの駐輪方法が変わっていたのにお気づきだったでしょうか?ブロンプトン特有の「お座り」形態ではなく、普通の自転車と同じ様にセンタースタンドで駐輪していました。今回のノット巡りからの新装備の一つに、加茂屋のセンタースタンド、タクト(Tact)があります。この新装備のおかげで、お座り形態で駐輪するときに比べ、非常に手軽にブロンプトンを駐輪させられるようになりました。
ノット巡りというのは、それぞれのノットに到達することが目的ではあるのですが、むしろ、ノットからノットへの移動の過程を楽しむ遊びだと考えています。旅の途中で何か面白そうな物を見つけても、駐輪が面倒だとなんとなくそのまま通り過ぎてしまいがちです。しかし、駐輪することに対する心理的な壁が、タクトのおかげでほとんど取り払われたので、いろいろな事物をじっくりと楽しめるようになりました。加茂屋タクト、お勧めです!(なんて書いちゃって良いのかな?)

これで、私がほどいたノットの総数は32となりました。
次はどのノットを目指しましょうか?



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2013年10月11日 Posted by lessThan5percent at 01:31Comments(0)